名機AKAI MPC 3000について熱く語る

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DTM

AKAI MPC3000

発売されてから20年以上経っていますが、AKAI MPCシリーズの中でも特に人気があり今だに高値で取引されています。(現在は某オークションサイト等で20万越え。。)

AKAI MPCシリーズの歴史についてまとめた
PADで音楽を作るという概念を作り出したAKAI MPCシリーズ。 HIPHOPのビートを作っている人なら恐らくほとんどの人が一度は所有したことがあると思います。 実はAKAI MPCシリーズはものすごく長い歴史を持つ機材です。 なんと30年以上!(2018年現在)

数々のヒップホップの有名プロデューサー達が使っていた機材なので憧れを持っている方もとても多いと思います。

20年以上前の機材なので操作性は悪いし、できることも限られている。

これで曲を作るのは現行の機材と比べると圧倒的に効率は悪い。

 

しかし、音質は本当にすごい

音質が良い訳ではないです。サンプリングすることによってMPC 3000の音になるんです。

今回はヒップホップのビートメイカーの視点からMPC 3000を語っていきます。

スペック

■サンプラー
・同時発音数:32音
・量子化ビット数:16bit
・サンプリング・レート:44.1KHz
・メモリー容量:標準2MB(最大16MB)

■シーケンサー部
・最大ノート数:約75,000
・トラック数:99
・シーケンス数:99
・ソング数:20
■MIDI端子:2IN/4OUT
■音声入出力:アナログ2IN/2OUT、デジタル2IN(S/PDIF)
アナログ8パラアウト標準装備
■SCSI端子:1
■外形寸法:440W×121D×405Hmm
■重量:9kg

 

まず外観からですが

とにかくデカイ!!

めっちゃ場所とります笑

13インチのmacbook四台並べたくらいの大きさ。

そしてめっちゃ重いです。簡単に持ち運びできる重さではないです。

 

昔の機材ならではの無骨な感じのデザインがたまらないです。これが近くにあるだけでかっこいいビートが作れる気分になれます。

ちなみに使っているとめちゃくちゃ熱持ちます。

 

 

サンプリングタイムですが、

モノラル 21.9秒

ステレオ 10.9秒

これ一つのサンプルじゃないですよ。

全部合わせた本体に録音できる最大時間です。

ただこれはメモリ増設してない場合なのでメモリ増設すると16mbにできるので

だいたいこれの10倍くらいにサンプリングタイムを増やせます。

なのでステレオ録音だと1分半くらいですかね。

 

ちなみにですがMPC 3000の前のモデルMPC 60のサンプリングタイムは

13.1秒

この時間の中に全ての音をサンプリングしてトラックを作らなればならなかったんです。

ちなみにこの時間制約のおかげでLOFIなビートが生まれました。

 

レコードのピッチをあげて再生スピードを速くしてサンプリングすることによってより長い時間の音源を取り込むことができるようになります。

そしてそのサンプリングした音源をサンプラー内で元の速度に戻すことにより音質の劣化が起こりLOFIな質感になります。

この劣化がヒップホップの音なんです。

ableton liveで簡単にlofiなドラムを作る方法
昔からのやり方だとレコードを早回ししてそれをサンプラーに録音、録音した音源をサンプラー内で元の速度に落として再生ってやり方です。 そうするとハイがいい感じに落ちて温かみのある音になるんです。 sp-1200やmpc3000、asr-10などの名機と呼ばれるサンプラーでこの行程をやるとびっくりするくらい音質を変えれるんですよ。

MPC3000の特徴

 

何と言っても

出音

特にドラムの音は本当にわかりやすいです。この機材を通すだけでドラムが力強く前に出てくるんですよ。

二曲ほどこれぞMPC3000の音!!という曲を紹介しておきます。

 

二曲ともJ DILLAですがこのドラムの音が

MPC3000の音

なんです。

 

というか現在MPC3000が欲しい!と思っている人ってDILLAファンが多いのではないでしょうか。

現在数多くの高性能なプラグインが出ていますが

こういった力強い音を作れるプラグインはないです。

というかあったら使いたい。

 

この音を求めて多くの人が今だにMPC3000を欲しがっているんです。

 

 

次にMPC3000のシーケンサー部分に関してです。

シーケンスを組むと独特の揺れがでてグルーヴ感がでるとかいう都市伝説があります。

断言します。ないです。

 

正直、シーケンス組むのにめちゃくちゃ時間かかります。

まあ昔はこれが当たり前だったんですが、現在だとビンテージ機材で曲を作るのが楽しいというど変態以外にはオススメしません。

 

 

波形は当然のごとく液晶表示されないのでサンプルのスタートポイント、エンドポイントは一々再生させてちょっとずつずらしていかなければいけません。

サンプルを使える状態にエディットするだけで結構な時間がかかっちゃいます。

今だったら5分でできることが30分とか余裕でかかります。

 

しかしですね、実はこの波形が表示できないという特徴があるおかげで面白いことが起きるんです。

耳で聴きながらスタートポイント、エンドポイントを波形の頭で正確に設定するというのは不可能です。

そして意図しない隙間ができるんです。

この隙間のお陰でグルーヴが産まれるとも言われてます。

 

僕はMPC1000からビートメイキングを始めたのですが、当時先輩からスタートポイントに”ワザと隙間を入れろ”

と言われたのを覚えています。このためだったんですね。

 

また、シーケンサーを再生しながらの録音はできなくなってます。

昔僕はboom bap系のビートを作ってたんですが必ずドラムを先に作ってました。

その後で上ネタをサンプリングするんですがドラムを再生しながらサンプリングできないって意外と不便だと感じてたのを覚えています。

Vailixi 3.50

MPC3000のシーケンスソフトは使いやすいとは正直言えません。

 

Vailixi 3.50は個人がMPC3000のOSを使いやすく改良したOSです。

こちらの作者の方は残念ながら行方不明になってしまいましたのでアップデートもされていません。(Webサイトもあったのですが突然連絡が取れなくなったそうです)

じゃあ手に入らないから意味ねーじゃん!

と思うかもしれませんが

なぜかEBAYで売ってます。(60ドルくらい)

 

おそらく他人が基盤をコピーして売ってるんだと思います。

というわけで今でもEBAY使えば手に入っちゃいます。

 

導入方法ですが小さい基盤を購入して差し替えるみたいです。(写真参照)

このVailixi 3.50を使うと何が変わるのかですが僕もVailixiは導入してないんでよく知りません。(というか翻訳するのがダルい)

一番大きい違いは読み込みできるフォーマットが増えることらしいです。

mpc3000のフォーマットって.sndなんです。

現在の音声ファイルってだいたい.wavか.aiffだと思います。

このVailixiを導入すると.wavファイルをmpc3000で直接読み込めるようになります。

 

他の箇所も使い勝手よくなるみたいなのでMPC3000メインで今だに戦ってる方は検討されてもいいかもしれません。

このVailixi 3.50にはシーケンスを再生しながらサンプリングできるようになる機能があり、僕も検討したことがあったのですが自分で分解できる自信がなく断念しました。

最後に

この機種の出音は本当にすごいです。

どのプラグインを使ってもこの音は出せない。

正直一度は使ってみるべきだと思います。

DAWソフトだけしか使ったことがない方は音にびっくりすると思います。

現在の中古市場の相場で15万円以上はするので簡単には手は出せないとは思いますが、、、

使って見るとこれは名機だとすぐにわかると思いますよ。

 

コメント

  1. […] 名機AKAI MPC 3000について熱く語ってみるサンプリング主体のビートメイカー… […]

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