【ビンテージサンプラー】名機E-MU SP1200をレビュー

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DTM

HIPHOPの黄金期とも呼ばれる90年代のHIPHOP。

90年代のHIPHOPにはなんとも言えない中毒性があり、未だに根強い人気があります。

そしてこの時代のHIPHOPを支えた名機と言われるサンプラーがいくつか存在します。

E-MU SP1200

AKAI MPC 3000

名機AKAI MPC 3000について熱く語る
サンプリング主体のビートメイカーにとっては憧れの機材といって過言ではないAKAI MPC3000。 発売されてから20年以上経っていますが今だに高値で取引されています。 数々のヒップホップの有名プロデューサーが使っていた機種なので憧れを持っている方も多いでしょう。

Ensoniq  ASR-10

当時の大体のHIPHOPプロデューサーはこの3台のうちどれかを使って曲を作っていました。

3台ともそれぞれ音質に特徴があるんですがどれにも言えることは荒くて太い。

今回はその中でも恐らく一番有名なサンプラー、E-MU SP1200について色々と調べたので紹介していきます。

ちなみにこの機種の現在の市場価格は

約30万円

ここ10年くらいは状態のいい完動品をなかなか見かけなくなってきました。

主なスペック

1987年に発売。

サンプリングタイム:全体で10秒。ただし1つのパッドに2,5秒まで。

サンプリングビットレート:12BIT

入出力:共にモノラルのみ対応

同時発音数:8音

音質の特徴

こういうぶっとくて荒々しい感じです。

サンプリングタイムが1パッドごとに2,5秒のためプロデューサー達は当然の如くレコードを早回しして録音、そのピッチをサンプラー内で下げて元のピッチに戻すというプロセスを踏んでいました。

このプロセスのおかげで荒々しい音になってます。

これがスタンダードなやり方だったわけです。

この時代のサンプラーは全てサンプリングタイムが短いのでこの方法を使わないとキックだとかスネアなどのドラムの音くらいしかサンプリングできませんからね。

また、SP-1200はサンプラーの中でもエイリアスノイズが無茶苦茶のります。

これ本来のサンプラーの使い方をする場合はノイズなんで乗っちゃいけないものなんですよ。

AKAIのMPC60や3000なんかは比較的エイリアスノイズは乗らないと言われていますね。

使ってみるとわかりますがAKAIのサンプラーはSP1200ほど荒くはなりません。

元々意図していなかったエイリアスノイズのおかげでこの音質が産まれたわけです。

 

僕はsp1200を所有したことはありません。

友人が所有していて使わせてもらったことがあるんですが

使った方はわかると思いますが音が本当に気持ちいいんですよ。

今まで色々なサンプラーを所有したことがありますが

SP1200ほどサンプリングすると音質が変わるサンプラーはないと思います。

エイリアスノイズ

本来のアナログの波形がこんな形だったとします。

これをサンプリングしてアナログ音源からデジタルに変換すると

こういう風にカクカクになります。

サンプリングビットレートが高ければこのカクカクが細かくなり、アナログの波形と近くなります。

逆に低いと再現度が低くなりアナログの波形とは異なった波形になります。

sp 1200は12bitサンプラーなので再現度は限りなく低いです。

なのでこの波形がカックカクなんです。

これ再現度が低いとどうなるかというと意図しない倍音が含まれてきます。

これをエイリアスノイズと呼びます。

操作性

操作性は現在のサンプラーと比べると比べ物にならないです。

正直いって、死ぬほど使いにくいです。

これでシーケンス組むのは死ぬほどめんどくさいです。

そしてE-MU独特の操作コマンドがあり、これがまたわかりにくい。

サンプリングする段階でスタートポイント、エンドポイントを決めるだけで一時間くらい平気でかかります。

マニュアルも出回ってないのでyoutubeでbeatmakingの動画を見て覚えるしかないと思います。

裏技

先輩から教えてもらった話です。

最初に言っておきますが、うろ覚えなんで間違っているかもしれません。

SP1200のヘッドホン端子にケーブル半差しで音を出力すると太くなる。

らしいです。

所有していないんで確かめる術がないです。

もし正確な情報を知っている方いらっしゃったら教えてください!

SP1200を使用していたPRODUCER

PETE ROCK

BUCKWILD

LORD FINESSE

DJ SPINNA

SKI BEATZ

SP-1200: THE ART AND THE SCIENCE

こんな本も出ています。

SP1200の魅力についての色々なPRODUCERのインタビュー、TIPS(裏技)、使い方、修理方法、アートブックなどなど。

SP好きのオタクにとってはヨダレ物の本。

ただ発売されたのが7年前なので手に入れるのはなかなか難しいかもしれないです。

NATIVE INSTRUMENT MASCHINEのSP1200モード

NATIVE INSTRUMENTのMASCHINEにはVINTAGE MODEなるものが存在します。

これ僕も使ったことあるんですが

なんかただジャリジャリした音になるだけで全然気持ちよくないです。

全然音は太くないしあまり使い物にはならないと思います。

eSPI 1200

2020年3月からlow-hiss.comでベータ版が公開されたSP1200のエミュレーションWEBアプリ。

SP1200のエミュレーションプラグインは沢山ありますが他とは一線を画す出来栄え。

音質の再現クオリティがめちゃくちゃ高いです。

無料版では制限がかかっていてサンプリング、MIDI機能、エキスポート機能が使えなくなっています。

現在はブラウザ上から開けるWEBアプリのみとなっていますがVSTプラグインに対応予定とのことなのでとても今度に期待のプラグインになりそうですね。

まとめ

BOOM BAPやLOFIな音が好きなら一度は触ってみるべきです。

いくら高いプラグインを使っても出せない音があります。

今後さらに入手困難になっていくことが予想されますので欲しい方は早めに手に入れておくべきですよ!

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