僕は10年ほど前に騒音性難聴になりました。
発症後にすぐに耳鼻科に行ったんですが不運にも完治には至らず、耳鳴りという後遺症が現在も残っています。
現在、僕は治らない耳鳴りと付き合いながら音楽を作り続けています。
今回は騒音性難聴になった経緯、耳鳴りとの付き合い方をお話ししていきます。
騒音性難聴とは
大きすぎる音を聞いたことが原因で内耳に障害が起こることを音響外傷と言います。
難聴を引き起こす原因の音量は85db(パチンコ店、カラオケ店、ぐらいの音量です)以上と言われています。
音響外傷は簡単にいうと耳に怪我を負った状態です。
症状は難聴と大体耳鳴りが同時に起こります。
ライブハウスやクラブを出た後に耳鳴りになることありませんか?
実はあれも騒音外傷です。ただ程度が軽いものなので一晩寝れば大体治ってます。
この音響外傷が原因で引き起こった難聴のことを騒音性難聴と言います。
騒音性難聴には一つ特徴があります。
4000ヘルツの音が聞こえにくくなります。
4000ヘルツは鳥のさえずり、女性の声の一部、鈴虫の鳴き声、時計のなどのアラームのピーピーという電子音など高めの音です。
高い音が聞こえにくいな、と感じたら騒音性難聴かもしれません。
騒音性難聴になった日
それはあるクラブイベントに遊びに行った日でした。
その日はとても混んでいてフロアは満員状態で、メインスピーカーの前ぐらいしかいる場所がありませんでした。
メインスピーカーの前は音がとても大きく、高音が耳に刺さるような感覚だったことを覚えています。
目当ての某大御所DJのプレイはどうしても聴きたかったのでそのスピーカーの前で3時間ほどそのDJのプレイを堪能しました。
朝方、クラブから外に出ると今までに体験したことのない物凄い音量の耳鳴りがしました。
また、耳の聞こえもとても悪くなっていました。エアコンの動作音や椅子を引きずる音などの小さい音が聴こえませんでした。
それ以前もクラブを出た後の耳鳴りになった事があったので一晩寝れば大丈夫かと思い、余り気にせず家に帰り、就寝しました。
しかし、起きた後も耳鳴りは鳴り止まず、耳の聞こえも悪いままでした。
流石にこれはおかしいと思い、次の日の朝方耳鼻科に行きました。
医者からは典型的な騒音外傷と診断され、良くなるまでは大きい音を聞くのを避けるようにと言われ、ステロイドとビタミン剤を処方されました。
それから一週間ほどで耳の聞こえはある程度は戻ったが完治せず。耳鳴りは音は小さくなったが以前大きい音で耳の中で鳴り続けていました。
そして医者からある言葉を言われました。
騒音性難聴です。
聴覚過敏になっていた
騒音性難聴になってから恐らく半年ほどだったと思います。音楽から遠ざかり、あまり大きな音を聞かない生活を送っていました。
耳鼻科には通い続けていましたが耳の状態は以前と変わらずでした。
そのくらいの頃に医者から
完治は諦めて今の状態で気にしないように生活を送れるようにしなさい
と言われました。
聴覚もグラフ上は大分戻っていて日常生活に問題もありませんでしたし、耳鳴り自体にも慣れてきていたので医者のこの言葉をあまり抵抗なく受け入れることが出来ました。
そしてしばらくしてから辞めていた音楽活動を再開し、大きい音を聴くとあることに気づきました。
高音がやたら耳に突き刺さり、鼓膜からボコッと音が鳴る。
この症状は聴覚過敏というものでした。
音響外傷の後遺症として出る場合があるみたいです。
ドラムのスネアの音や子供の大きな声など高い音を聴くと鼓膜が痛いんです。
医者にも相談したが、とにかく不快に感じる音を避けるしかないと言われました。
正直、耳鳴り以上に聴覚過敏は精神的に辛かったです。
今まで大好きだった音楽を聴いても耳が痛い。
好きだったことを楽しめなくなっていました。
日によって聴覚過敏の程度は違い、耳の調子の良い日はクラブにの大音量の中でも聴覚過敏は特に気にならず、
耳の調子の悪い日は電車の中の子供の普通の話し声でさえ耳が痛くなりました。
この聴覚過敏は耳鳴り発症から3年ほど悩まされましたが幸運にも段々と症状は軽くなり、現在ではほぼ完治しています。
現在
以前耳鳴りは治らぬままです。
日によって程度が違い、寝不足の日や風邪を引いたり体調の優れない日、また天気の悪い日が症状が酷く、仕事中でも耳鳴りがなっていることに気づくレベル。
調子の良い日は静かな部屋に行かない限り耳鳴りが鳴っていることには気づきません。
僕は現在も音楽活動を続けています。
自宅では曲作りをほぼ毎日、また一ヶ月に一回ほどクラブイベントに遊びに行っています。
ライブ用耳栓
医者から勧められ購入しました。
あまり知られていない商品でしょう。
通常の耳栓は付けると音が籠ります。音質が変わってしまいます。
しかし、ライブ用の耳栓は籠りません。音質変化はほぼなし、音量だけ下げてくれるようにできています。
クラブ、ライブハウスによく行く方、DJ、バンドマンは絶対にこれを付けるべきです。
僕はこのCRESCENDOという会社のイヤープロテクターという商品を使っています。
いくつかのライブ用耳栓を試しましたがこれが安価で一番クオリティが高いと思います。
また、使用用途に応じた色々な種類の耳栓を販売しています。(全18種類 DJ用、オフィス用、ドラマー用、工事現場用など)
騒音性難聴にならないために、なってしまったら
耳が痛いと感じるレベルの音量の場所に長時間いることは絶対に避けましょう。
また、やむを得ない場合、ライブ用耳栓を付けるようにしましょう。
万一、耳に異常を感じた場合、とにかくすぐに病院に行きましょう。
一生治らないかもしれない病気です。仕事や学校のことを気にしている場合ではありません。
コメント
私も 今 騒音性難聴と言われ 10年が過ぎ… 最近は耳鳴りが かなり酷く
静か過ぎると 逆に気になるので 仕事中も ブルートゥースで 耳鳴りのしない左耳で ラジオを聴いています。
そのせいか 分かりませんが 中度の鬱病にも 悩まされています。 同じ境遇の方が 居るとわかって 思わずコメントしてしまいました。
ちなみに…50歳 男性です。 また 何か
良い紛らわし方があったら 教えてください。
あんちゃん。さん
コメントありがとうございます。
辛いですよね。僕も発症してから数年は本当に辛かったのを覚えています。
正直に言わせてもらうと慣れるしかないと思います。
今まで耳鳴りに良いサプリやツボなど色々試してみましたがどれもパッとせず。。
僕の場合は疲れると耳鳴りが酷くなるのでどんな時でも睡眠はしっかり摂るよう心がけています。
僕は紛らわすことはしません。耳鳴りを紛らわすためにイヤホンを使って音楽を聴く方法は僕には合いませんでした。僕の場合、イヤホンってとても耳が疲れるので使うと逆に耳鳴りが酷くなります。