PADで音楽を作るという概念を作り出したAKAI MPCシリーズ。
HIPHOPのビートを作っている人なら恐らくほとんどの人が一度は所有したことがあると思います。
実はAKAI MPCシリーズはものすごく長い歴史を持つ機材です。
なんと30年以上!
まだ未だにモデルがアップデートされ続けています。
これってすごいことですよ。
さー、というわけで今回は今までに発売されたAKAI MPCシリーズを順に紹介していきます。
MPC 60
ここから歴史は始まりました。
1988年に発売。発売時の価格はなんと約48万円!!
シーケンサー、サンプラー、ドラムマシンを兼ね備えた革新的な機材でした。
今では当たり前のように見かけますが、ゴム製のPADを機材に搭載した初めてのサンプラーです。
サンプリングできる時間は13.1秒。
僕の記憶だとDJ PREMIERは2010年ごろまではこのMPC60で曲を作り続けていたはず。すごいね。
また1991年にAKAI MPC 60IIが発売されています。
こちらはディスプレイの角度調節や皮のアームレストを廃止しローコスト化した物。
発売時の価格は29万円。相変わらずくそ高いですね。
MPC 3000
1994年に発売。発売時の価格は27万5千円。
この機種からMPCシリーズの人気は確固たるものとなりました。
独特の出音は今でも人気があり、中古で高値で取引されています。(完動品で15万円以上はします)
ただ価格が高いこともあり、そこまで普及はしませんでした。
僕も所有してますが本当に良い機材ですよ。
MPC 2000
1997年に発売。発売時の価格は15万円。
大分庶民的な値段になってきましたね。
価格が下がったこともあり、色々な層に受け入れられ爆発的なヒットとなりました。
MPC 3000とは一味違った太い音が出せますよ。
この機種から液晶に波形が表示させられるようになりました。
また1999年に後継機のMPC 2000XLを発売。
この機種はシーケンス部分がとても使いやすく、未だに使っているトラックメーカーは沢山いますね。
出音はMPC2000とは若干違い高音がこっちの方が持ち上げられてる感じがします。
MPC 4000
2002年に発売。
MPCシリーズで24ビット/96kHzに初めて対応した。
要するに高音質が売りのMPCです。奥行きのある音が出ます。
また、内部のソフトウェアの操作性が今までのMPCと全く互換性がないので戸惑う人が多かったのを覚えています。
MPC 1000
2003年に発売。
コンパクトな本体、リーズナブルな価格でとても人気が出たモデルです。
恐らく今までで一番売れたMPCではないでしょうか。
10年ちょっと前のビートメイカーは大体みんな持っていたんじゃないかな。
未だに売れ続けてますね。
出音はクセがない音です。聴けば特徴がある音ではありますが。
サンプリングして音をLOFIにするというのがこの機種あたりから難しくなってきます。
また、非公式OS JJOSという物が存在しております。
認知度が相当高いです。k10年以上前から存在してると思うんですけど今だに訴えられないってすごいですよね。
MPC1000をガチで使っている人はこっちに変えている人が多いです。
操作性がめっちゃよくなるし、機能面も色々と追加されるんですよ。
現在もアップデートされ続けています。
MPC 2500
2005年に発売。
MPC1000の操作性をよくしたモデルです。
出音に関してはMPC 1000と全く同じです。
MPC 500
2006年に発売。
MPCシリーズで初めて電池駆動が可能になったモデル。
ポータブルサイズになったのでライブで使っている人をよく見かけました。
PAD数は12だし波形表示もできないのでこれで細かく編集は難しいですが片手でヒョイっと持てるサイズなので持ち運びには便利ですね。
MPC 5000
2008年に発売。
この機種は印象の薄い機種でした。
正直、僕の周りで使っている人が誰もいませんでした。
シンセサイザーが搭載され、フォノ端子も搭載。
ミキシング機能もあるので売り文句としてはこれ一台で完結。
音質もMPC1000、2500と変わらず。
MPC2500を更に大きくして操作性を上げた感じですかね。
MPC RENAISSANCE
2012年に発売。
MPC史上初めてPCとの連携が可能となったモデル。
まあ簡単にいうとMASCHINEみたいな感じです。
MPC SOFTWAREというソフトを使ってシーケンスを組んでいきます。
これ、言ってしまえばただのMIDIコンなんですよ。。
PCで使えるMPCとして人気は出ましたが、今までのMPCユーザーからはスタンドアローンではなくてがっかり。などという意見をよく聞きました。
同時にMPC STUDIOも発売されました。
こちらはMPC RENAISSANCEの下位モデル。
MPC TOUCH
2015年に発売。
タッチスクリーン対応のカラーディスプレイが搭載されたモデル。
こちらもスタンドアローンには対応していないのでMIDIコントローラーです。
MPC X
2017年に発売。
スタンドアローンでの使用にも対応。
リチウムイオンバッテリー搭載。
PCなしでMPC単体で曲作りを完結できます。
恐らく要望が多かったんでしょうね。
MPC LIVE
MPC Xと同時に発売。
リチウムイオンバッテリー搭載。
MPC TOUCHとほとんど形は変わらないがMPC LIVEはスタンドアローンで操作可能。
MPC Xとの違いは操作できるノブが少ない、Audio in/out・midi in/outが少ない部分。
持ち運びして外でライブなどに適している大きさです。
MPC ONE
2020年2月発売。
MPC LIVEが販売終了とのことでMPC LIVEの後継機モデルという位置付けですね。
MPC LIVEより実売価格が3万円ほど安くなり手に入れやすくなった。
以上、解説終了!!あー、長かった。全部で16機種でした。(抜けてないはず)
なんか思っていたより機種が多くてとても長くなってしまいました。
それぞれの時代のMPCに各々個性があるので自分が作りたい曲に合わせて使ってあげると強い味方になってくれますよ。
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